やはり解釈が難しい天然酵母 [天然酵母]
大地のカタログを目に通すと白神こだま酵母が記載されていた。
一昔前は天然酵母のパンだけを扱う会社だったと担当者に聞かされていた。
担当者が変わり、ザクセンの中村さんが言う「酵母パン」というフレーズが「白神こだま酵母」にも使われている。担当者が移動になるとその辺はごっちゃ煮になりやすいし、意識は薄れていくだろうと思いました。
「白神こだま酵母」を扱い始めた時の大地担当者は天然酵母ではありませんと言っています。
ところが、「白神こだま酵母」には野生酵母と記載されています。この差はなんだろうか。
普通に見たら共に良いものなんだろう。
じゃ、市販のイーストは悪いものなんだろうか。
ここで一度、整理しておきますと、
パン用ビール用***用の酵母そのものは人間が創ること(あえて創るとしました)は出来ません。
従って、全て野生酵母なんです。つまり、市販のイーストもホシノ酵母も白神こだま酵母も、はたまたMikiの酵母も全て野生の酵母から取れたものなんです。また、植物性か動物性かというと全て植物性です。
酵母自体が生きているので生態系で見ると植物性になります。
じゃ、何が違うのと言うと酵母を育てる環境が違うんです。
人工的にパンに適した酵母を取り出した酵母とそうでないもの。
そうでないものを作るには環境を作るのに5年も10年もかかるものなんです。
味噌やしょうゆ、お酢の蔵と同じ位年月が必要です。
人工的に作るとひょっとすると2週間でできるんじゃないでしょうか。
次に違うのは酵母が食べているものが違います。
ホシノ酵母とMiki酵母は米(ホシノ酵母は確証がありませんが、)
白神こだま酵母は乳清など
市販のイーストは糖蜜、ブドウ糖加糖液など
次に違うのは純粋に同じ酵母を育てる(培養)のかそうじゃないか。
ある意味でホシノ酵母と白神こだま酵母とイーストは一緒になるかと思います。
次に違うのは育てるときに酵母(イースト)が食べるものを足すか足さないかです。
市販されているイーストはチッソ、カリなどの肥料を加えます。もちろん有機肥料ではないでしょう。
天然酵母では小麦粉や雑穀を入れてる所もあるようです。
こんなところを整理すると工業的培養酵母は人工的に選択された酵母を使い、純粋に培養する、イーストフードという化学肥料を使うもの。
天然酵母は自然な形で酵母が選択されて、他雑多の菌が混ざりあい、化学肥料を使わないもの。
Mikiでは更に、種継ぎをせず、その酵母仕込み桶に家付酵母のみで醗酵させたものを使っています。
かなり、皆さんには理解できないものなんでしょう。とっつきやすいキャッチコピーで惑わされないでくださいね。お会いした方にはゆっくりと分かりやすく、分からないことを答えながらお話させて頂きたいと思います。
科学的に作られたイースト菌より天然酵母だからよいと単純に思っていました。
白神こだま酵母で作るパンは、イースト菌で作るのと変わらないふくらみ具合と柔らかさ、どうしてこれほど安定しているのかと、不思議に思っていました。
イーストフードを使ったパンなどとんでもない。( と思っていました。)酵母を培養するのに使われているなんて・・・ただただ驚きです。
一口に酵母といっても似て非なるものなのですね。
by 姫 (2007-11-28 17:39)
21世紀は「種」の時代です。
それは遺伝子組み換えの種だったり、そうでないものだったり。
環境によっては無くなってしまう「種」があります。
Mikiの酵母も9月には作りづらいものになってきました。
10月でも暖かい。環境を先取りする微生物の世界。
酵母=種という考え方は先代からの言い伝えです。
ある意味で酵母=種の本質が問われる気がします。
米一粒一粒に感謝しながら、これからはMikiの酵母を無駄に出来ないと思います。
by pochi (2007-12-02 11:38)