株式会社味輝の天然酵母が出来るまで [天然酵母]
そこの路地を曲がると天然酵母パン屋があって当たり前。
でも、今をさかのぼること、2013-(46歳-16歳)=1983年頃
天然酵母パンなんてなかった。
花小金井の丸十製パンのおやじと、大同ミネラルパン(後の株式会社味輝)くらい。
今思えば、一番の花があった時。
フランスから工場見学が着たり、社員希望者は待っている状態。
というか有頂天。
その後、業界紙に「天然酵母パン」は難しいとか、やりずらいとか当時の社長が申し上げたらしい
その記事を見た「ホシノ天然酵母種」の星野社長は「もう、出荷はしない。孫の代まで出荷しない。」と言って
本当に出荷が止まってしまった。
売れに売れていたと思われた大同ミネラルパンは、1週間分位の種を残して、天然酵母が手に入らない状態になってしまったんです。
誰でも「天然酵母パン」屋は開店することは出来ます。が、その天然酵母が入手出来ない状態になった時にどうしますか?
廃業するのか違う天然酵母を探すのか。
味輝は自分で作る(育てる)にしました。
育てるといってもシロウト。
2013年の今でもいろいろな人に習うこと多し。
日本の醸造醗酵食文化に根差した酵母作りに徹するということ。
日本のパンのルーツは江戸時代の江川さんという庄屋さんが考えて米糀から起こしたといわれている酒種パンなるもの。
じゃ、そこに戻ろうじゃないか。
こうして米と麹でパン用の酵母を起こすことを始めましたとさ。めでたしめでたし。
日本古来からある麹菌は日本の気候風土にあっています。
その麹菌から糀を作り、パン用酵母を育てることは「和の種」と言えるのではないでしょうか。
イーストというと西洋の種のイメージ。実際には元をただすと輸入されたものだったりするのでしょう。
和の種をまく会社=味輝
決して、楽な道じゃないのよね。
世間からは商品開発が遅く、何もしない会社と呼ばれておりますが、毎年のように酵母はよくなっています。
毎年、毎月よくなっていますので、パンが毎月リニューアルしていると言っても過言ではないと自負しちょります。
一人二人の賛同者があれば、いつでもどこでもパンについて説明させて頂きます。
株式会社味輝パン販売サイト
http://www.naturalcafe.jp/
端境期 [天然酵母]
ブログの更新Passwordを紛失し、再設定するまで、何も出来ませんでした。
さて、お題の通り「端境期」。農業には出てくるけど、パン屋は?
この時期の小麦粉は2011年8月収穫の小麦を粉砕しています。
小麦も収穫後、時間とともに瑞々しさを失っていきます。
1年でも2年でも数年でも平気なのが小麦ですが、やはり目に見えない酵素の活性は落ち着いてしまします。
小麦粉も1年経過し、2012年産がこの10月下旬に出回ります。製粉は11月から、味輝パンに入荷するのは12月中旬以降の予定です。
最後のラストスパートを小麦「君」も頑張ってます。
2012年産にバトンタッチされるまでの間、あとちょっとです、頑張って下さい小麦粉さーん。
今日は色々と初・・・ [天然酵母]
実は2008年秋の最初の酵母仕込みの日だったんです。
神田明神下の天野屋さんに昨日でかけていき、糀米を購入。購入後は慣例となっている神田明神へのお参り。なぜか、お参りし始めてから良い酵母ができるようになった気がします。
その夕刻に埼玉県の越生町の仕込み場に糀米を届けるのも大事な役割。
翌朝4時に仕込み場に戻るのだが、なんとなくボーとした風でなく、なぜかきりっとしています。
朝一番の仕事は運転なのかもしれない。片道50kmを車で走る。
仕込み場に入ってから、蒸し器の電源を入れる。蒸し器が立ち上がるまでの30分間で浸漬してある米を蒸す準備をしなければならない。
約30分間かもしれないが、手が慣れてきた若手社員3名がてきぱきと動いている。
実は自分も含めて蒸米の作業は昨シーズンは5名で行っていた。
今日はパン粉用パンが足りないので焼く必要があるとかで、1名かりだされてしまった。
久し振りなので慣れた部門をやろうと決めた。
が、1名余ってしまう。そこで蒸米に糀米をかけてかきまぜる、序盤の肝心な部分をその1名に経験してもらうことにした。
今日、初の部門だ。
見ながら、OJTになるとかなり難しい。
彼女はそれをやり遂げてくれた。
そうなんです、蔵の仕事に女性が参加してくれているのです。
何事も経験。ということで蒸米を若手社員に切り替えたのが昨年から。
最初はどうなるかと思った仕込みもだいぶコナレタ。
今日はその彼女はどちらかというと「怒られ」た感じだろう。こちらとしては米を大切にしてもらいたいことなど伝えたいことが山ほどあるのでツイツイ、厳しい言葉になってしまう。
ま、とりあえず、蒸米終了。
初仕込み、初部門でした。
お米のお勉強 [天然酵母]
趣旨は糀について学ぶが8割、残りは飲むのが2割かと思っていました。
が、訪問先のすずき味噌店さんがご紹介してくれたのが遠藤さん。
HPを検索すると色々出てくるわ出てくるわ。改めて感動。
ひとつのページを記します。
http://www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/434.html
有機農法で行っている米を見て話をしてきました。
もちろん、お酒が入った交流会は畑で話す内容から更に踏み込んでのお話。
ありがたくお話を頂きました。
最初の写真は一般的な田の写真。見る限り、植えている量が有機やかるがも農法より多い。
次の写真は有機の田。改めて植えている量が少ないことがわかります。
やはり見ると食べたくなるのが心情。
玄米で食べるにはやはり農薬がかかっているのより有機と思うのも心情。
さて、遠藤さんのお米が市販されている中で美味しいという評価があるという。
日本人のお米に対する味を決めるべろメーターは馬鹿には出来ないであろう。
日本人の舌がおかしいと言われている昨今ですが、馬鹿にしたものではないんじゃないでしょうか。
そう言う自分も大学の頃は「一気飲み」とやら味も分からぬ、少しオカシイお酒を良く飲んだもの。酔えれば良くて、安ければ良くて。これがものさしですから食べ物にも同じものさし。
そういえば、30歳になって初めて純米吟醸酒をのんだっけ。
これが10年経って、20年経って、良いものというか本物を頂く機会にありつけて、こんな仕事柄更に良い本物が集まるようになり、美味しい毎日を過ごすようになりました。
体験的にも、今の20際台でも30歳台でも本物のお米と本物のお酒を飲み続けることに期待したい。
この前、20歳台の人たちと同じ席で黒龍酒造さんの純米吟醸酒のを飲んだときには彼らも「美味しい」を連呼してったけ。お若い人たちは日本酒は飲めないという。そんな人たちには特に日本酒のいいものをお勧めしたい。
そんなお酒には美味しい和食でしょ。日本の自給率UPの鍵はやはりお酒の自給率から。
日本酒なら限りなく、国産で飲めるはず。
とりあえず「乾杯は日本酒で」でお願いします。
やはり解釈が難しい天然酵母 [天然酵母]
大地のカタログを目に通すと白神こだま酵母が記載されていた。
一昔前は天然酵母のパンだけを扱う会社だったと担当者に聞かされていた。
担当者が変わり、ザクセンの中村さんが言う「酵母パン」というフレーズが「白神こだま酵母」にも使われている。担当者が移動になるとその辺はごっちゃ煮になりやすいし、意識は薄れていくだろうと思いました。
「白神こだま酵母」を扱い始めた時の大地担当者は天然酵母ではありませんと言っています。
ところが、「白神こだま酵母」には野生酵母と記載されています。この差はなんだろうか。
普通に見たら共に良いものなんだろう。
じゃ、市販のイーストは悪いものなんだろうか。
ここで一度、整理しておきますと、
パン用ビール用***用の酵母そのものは人間が創ること(あえて創るとしました)は出来ません。
従って、全て野生酵母なんです。つまり、市販のイーストもホシノ酵母も白神こだま酵母も、はたまたMikiの酵母も全て野生の酵母から取れたものなんです。また、植物性か動物性かというと全て植物性です。
酵母自体が生きているので生態系で見ると植物性になります。
じゃ、何が違うのと言うと酵母を育てる環境が違うんです。
人工的にパンに適した酵母を取り出した酵母とそうでないもの。
そうでないものを作るには環境を作るのに5年も10年もかかるものなんです。
味噌やしょうゆ、お酢の蔵と同じ位年月が必要です。
人工的に作るとひょっとすると2週間でできるんじゃないでしょうか。
次に違うのは酵母が食べているものが違います。
ホシノ酵母とMiki酵母は米(ホシノ酵母は確証がありませんが、)
白神こだま酵母は乳清など
市販のイーストは糖蜜、ブドウ糖加糖液など
次に違うのは純粋に同じ酵母を育てる(培養)のかそうじゃないか。
ある意味でホシノ酵母と白神こだま酵母とイーストは一緒になるかと思います。
次に違うのは育てるときに酵母(イースト)が食べるものを足すか足さないかです。
市販されているイーストはチッソ、カリなどの肥料を加えます。もちろん有機肥料ではないでしょう。
天然酵母では小麦粉や雑穀を入れてる所もあるようです。
こんなところを整理すると工業的培養酵母は人工的に選択された酵母を使い、純粋に培養する、イーストフードという化学肥料を使うもの。
天然酵母は自然な形で酵母が選択されて、他雑多の菌が混ざりあい、化学肥料を使わないもの。
Mikiでは更に、種継ぎをせず、その酵母仕込み桶に家付酵母のみで醗酵させたものを使っています。
かなり、皆さんには理解できないものなんでしょう。とっつきやすいキャッチコピーで惑わされないでくださいね。お会いした方にはゆっくりと分かりやすく、分からないことを答えながらお話させて頂きたいと思います。